Amazon Web Serviceは2006年までは、Amazonの社内業務のためにサービスを提供していましたが、2006年以降、一般に公開され、多くの企業がAWSによるクラウドコンピューティングサービスを利用するようになっています。
AWSを利用することで、必要なときに必要な分だけ、ITリソースを利用することができます。
使った分だけの利用量を支払いますから、無駄なコストをかけることもありません。
オンプレミス環境によるサーバー設置などの場合には、最大負荷に合わせてサーバーのスペックを調整しなければならないので、あまり使わないときには、オーバースペックになってしまいがちです。
この記事では、AWSを導入するメリットなどについてまとめます。
AWSのクラウドが選ばれる理由
AWSはAmazon.comが運営しているクラウドコンピューティングサービスです。Amazon Web Serviceを利用することでさまざまなメリットがあり、オンプレミス環境でシステムを構築するよりも、コストを削減できる可能性があります。
年々新しいサービスも発表していて、現在では165を超えるサービスを提供しています。
2017年には1430回を超えるバージョンアップをし、日本でも10万を超える顧客がいます。
無料で利用できる製品もあり、有料のものでも50以上の製品で無料利用枠が設けられています。
Amazon Lightsail(コンピューティング) | 30日間無料(750時間 / 月) 無料トライアル |
AWS RoboMaker(ロボット工学) | 25 SU使用時間無料 12か月間無料 |
Amazon RDS(データベース) | 750時間 / 月のdb.t2.microデータベース 12か月間無料 |
AWS Lambda(コンピューティング) | 100万 / 月のリクエスト無料(無期限) |
Amazon S3(ストレージ) | 5GBの標準ストレージ 12か月間無料 |
Amazon EC2(コンピューティング) | 750時間 / 月 12か月間無料 |
Amazon DynamoDB(データベース) | 25GBのストレージ(無期限) |
Amazon SageMaker(機械学習) | 250時間 / 月 無料トライアル、最初の2か月間 |
Amazon SageMaker Ground Truth(機械学習) | 2か月無料トライアル 無料トライアル |
AWSはさまざまなメリットがあります。
初期費用ゼロ / 低価格
AWSのメリットの一つとして、「初期費用がかからない / 低価格で利用開始できる」ことが挙げられます。AWSは初期費用をかけることなくITリソースを利用できますから、従来のオンプレミス環境でシステムを構築する場合に必要な、大型の初期費用は必要ありません。
AWSをすぐに使いたいというニーズにも対応できます。
従来のIT投資判断ではなく、柔軟なITリソースの導入が可能です。
また、AWSは完全な従量制料金ですから、使用した分だけの料金しかかかりません。
そのITリソースが必要なくなれば、サーバーを停止、データを削除することで、すぐに課金を停止することができますし、逆にもっとITリソースが必要になれば、より必要な分だけのITリソースを借りればよいので、繁忙期やキャンペーンなどにも柔軟に対応できます。
AWSのエンドユーザー向けの価格はすべて、AWSウェブサイトで公開されていますので、価格の透明性が高く、撤退も容易ですから撤退コストを最小に抑えることもできます。
継続的な値下げ
AWSは過去10年間で70回以上の値下げを実施しています。2019年2月時点で、世界中に100以上のデータセンターを運営していて、非常に多くのITリソースを展開しています。
AWSが大量にITリソースを調達することで、1台あたりのコストが安くなり、それをAWSの導入企業などのエンドユーザーに還元しています。
使用中に値下げが行われた場合でも、値下げは自動で行われますので、値下げ交渉などの交渉コストも発生しません。
AWSのクラウドが選ばれる理由(続き)
サイジングからの解放
AWSでは、必要なときに必要な分だけ、サーバー台数を簡単に増やしたり減らしたりすることができます。また、稼働しているサーバーのCPUやメモリ、ストレージのサイズを変更することも可能で、それらの作業には数クリック、数分間しかかかりません。
日中と夜間で稼働しているサーバーのスペックを変更することもできますし、それによって最適なサイジングをすることで、無駄な維持コストが発生しません。
繁忙期やキャンペーン実施の際には、短期的に増強させることも可能ですから、常に適当なITリソースを使うことができます。
ビジネス機会を逃さない俊敏性
サーバーの構築にかかるコストはお金だけではありません。時間も重大なコストです。
オンプレミス環境における新しいインフラの構築は、複雑かつ遅くなりがちです。
どのようなシステムが必要かを調査し、利益に見合うかを評価し、エンジニアが設計・計画・実装、コミッション、デプロイなどさまざまな工程が必要で、実際にシステムが走り始めるまでには多くの時間的なコストが必要です。
この間に、商機を逃してしまっては元も子もないありません。
AWSでは、すでに構築されてあるシステムを借りて利用しますから、数クリックで新しいインフラを用意することができます。
AWSは世界中のデータセンターで統一したインターフェースを持っていますから、海外展開においても現地のデータセンターを利用することで、視察の必要もなく、同様の使用感で利用できます。
最先端の技術をいつでも利用可能
AWSでは165を超えるサービスを提供していて、2017年には1430回を超えるバージョンアップを実施しています。常に最新の技術を、顧客からの要望に基づいて実装していっています。
サービスのリリース時点ですべてのユーザーが、そのサービスの利用を開始でき、特定の顧客だけが利用できるようなサービスはありません。
だれでも最先端の技術が利用可能です。
非常に多くのサービスを誰もが利用できますから、多くのコンポーネントをAWSのみで構築できます。
そのため、サードベンダーとの打ち合わせを繰り返す必要もなく、ビジネスのスピードが向上します。
また、ITサービスを再開発する必要もないので、その分の時間や費用などのコストを、自社の事業の発展に充てることができます。
AWSをすぐに使いたいというニーズにも応えられます
Amazon.comはアメリカにある企業です。AWSを利用するうえで心配なのは、サポートだと思います。
海外の企業ですから、サポートも英語なのではないか、英語のサポートなら使いづらそうだ、という懸念をお持ちかもしれません。
しかしAWSは24時間365日、日本語によるサポートを受けられます。
ですから、英語に不安があって、サービスの内容を理解できるか、サポートを受けられるかが不安だ、という方でも、安心して利用することができます。
AWSの「ビジネスサポート」では、電話・チャット・メールによる問い合わせを24時間365日対応を行っていますし、問い合わせ回数に制限などもありません。
緊急度のレベルによって初回応答時間は変わってきますが、通常の問い合わせであれば24時間以内に回答が返ってきますし、緊急性の高い(ビジネスへの影響が大きい)ものであれば1時間以内に回答されます。
非商用環境であれば、技術的な質問に答えてくれる「デベロッパーサポート」もありますから、エンジニアの方は技術的な質問も行うことができます。
最後までご覧くださってありがとうございました。
この記事では、AWSのメリットについてまとめました。
AWSでは非常に多くのサービスを提供していて、迅速かつ柔軟にサイジングを変更できますから、AWSをすぐに使いたいというニーズにも応えてくれるでしょう。
50を超える項目を自動チェックし、安全かどうか、外部から侵入される危険性がないかどうかなど、ネットワークやセキュリティの設定状況を自動判別してくれますから、セキュリティ面でも安心です。
ご参考になれば幸いです。