日本企業で経理事務を担当していた方が、仕事の関係で外資系企業と接する機会をもったりする中で、英文経理転職を希望するようになるケースが時折あります。

外資系企業というのは一般的に言って実力主義の世界であることが多いので、日本企業とは異なった雰囲気があり、その社風に惹かれて転職したいと考える人が多くいます。成果に対する評価が非常にシビアという点が、逆に仕事の励みになる人もいますから、そのような人の場合には、日本企業にいるよりも外資系企業に転職した方が本来の力を発揮できてよいのかもしれません。

ただし、英文経理未経験者が英文経理転職を希望するのであれば、取っておいた方が有利な資格というものが存在します。英文経理になるには、USCPAという資格を取得しておくと有利です。これは、アメリカの公認会計士の資格なのですが、日本の公認会計士試験同様に非常に難関試験であると言われています。この資格を有していると、英文経理になるには非常に有利です。

ただし、日本国内では試験が行われておりませんので、受験するために渡米する必要があります。しかし、日本国内にある外資系企業が採用している会計方式は、米国式の会計方式だけではなく、勘定科目の単語は英語表記になっているものの日本の会計基準に従って処理するという方式を採用している場合もかなり多いです。ですから、英文経理になるにはUSCPA取得が必須になっているわけではありません。たとえ英文経理未経験者であっても、日本企業で経理を行っていた経験があり、英語力もあるという人であれば、英文経理転職は十分に可能です。資格を取得していれば、確かに一定の会計処理能力を有している証拠になりますから、もちろん転職するためには非常に有利であることは間違いありませんが、資格の有無よりも実務経験を重視されるケースが多いです。

一方、日常業務は英語で行われることになりますので、業務の打ち合わせ等をスムーズに行える程度の英語力は必要になります。よく、英文経理になるにはTOEICのスコアが何点以上ないといけないのかと尋ねる人がおりますが、TOEICのスコアは英語力の目安に過ぎませんから、あまり神経質になる必要はないと思います。もしも、英文経理未経験の方がこれから英文経理転職を目指すのであれば、英語の勉強は当然のこととして、日商簿記2級、準1級、1級などの取得を目指すとよいと思います。こちらの試験であれば、国内で受験することができますし、経理処理能力を有することの証明になりますから便利です。