Googleは先頃、その検索ランキング要素のTOP3を発表しました。
とはいえ、どのようにランキングを決定しているかをGoogleがすべてを明確にすることはきっとないでしょう。
今回はそんな先頃の発表を踏まえてGoogleの検索ランキングの現在のトレンドを改めて推測していきたいと思います。
Googleの検索ランキング決定要素のTOP3とは
Googleが発表した検索ランキング要素のTOP3は「リンク」、「コンテンツ」「RankBrain」でした。Googleの検索ランキングの要素は実際にはたくさんありますが、とにもかくにも3大要素ははっきりしました。
このうち「RankBrain」が3番目であることもGoogleは明らかにしています。
しかし、「リンク」と「コンテンツ」のどちらが上位であるかについては明らかにされていません。
この3つの要素がそれぞれいったいどんなものであるか、順を追ってご説明していきます。
「リンク」はGoogle検索の初期の頃から検索ランキングを決定する重要な要素であり、一時はSEO対策といえばめったやたらにリンクを貼るという時期もありました。
しかしGoogle検索はどんどん賢くなっていて、現在ではもう1つの要素「コンテンツ」の重要度がどんどん大きくなっています。
検索ユーザーの入力したキーワードに、よりマッチした内容のサイトを見つけ出すためにいろいろな条件でサイトの中身を評価するようになってきました。
3番目の「RankBrain」は新しい技術です。
急速に重要度が増していることが伺えます。
次の章で詳しく解説していきます。
Google検索で活用される「RankBrain」というAI
「RankBrain」は、2015年からGoogleが検索のランキングに導入している機械学習技術を折り込んだAIシステムです。機械学習技術を使うことによって、検索の実績データの分析結果からシステム自身が検索アルゴリズムを補完していって、より精度の高い有益な検索結果をもたらすことができるようになるというものです。
いわば、機械が自ら考え、思考し、そのコンテンツが入力された検索キーワードとどうマッチしているのか、入力した人物にとってよりフィットした回答となりえる検索結果となっているのかを考え、提案する技術だとも言えます。
Googleはこの「RankBrain」を導入することによって、従来は検索者の入力だけでは探し出せなかったようなページを探しだせるように検索アルゴリズムを強化しようとしているようです。
例えば「iPhone」という名称を忘れてしまった時に、「新しいアップルの携帯」で検索すると「iPhone」の最新機種についてのページが表示されるという具合です。
この点だけでも機械が「アップル」と「携帯」という言葉からiPhoneというキーワードを連想していることが伺えますよね。
このAIシステムの導入は、検索された内容クエリの意味を解釈してその検索されている意図をいわば拡張して導き出す。ということになります。
したがって検索ランキングに、コンテンツがより大きく影響することになります。
つまり、より検索者にとって有意義なページを探し出そうというGoogle検索のトレンドを強化しようとしているということです。
さらにAIシステムの最も特徴的なことは、結果を蓄積することによってシステム自身がルールを蓄積して進歩する。という側面もあります。
つまり、使用されればされるほど検索精度が向上することが期待されるわけです。
Googleはスパムの検出にもAIを応用しようと取り組んでいる?
Photo credit: A Health Blog via Visual Hunt / CC BY-SAGoogleにとっては、検索の精度を高め、より検索者にとって有意義な情報を提供することが自社の利益に直結した最も重要な課題です。
一方でできるだけ検索ランキングを上げたいWebサイト運営側は、Googleの検索アルゴリズムを逆手にとってサイトの内容とは別にできるだけランキングが上がるようなSEO対策を考えだします。
このためにほとんど内容のないスパムコンテンツを作ったり、あるいは最近ではSNSであえて炎上するような情報を出して、拡散するように仕向けて被リンク数を上げるというようなことも行われることもあるようです。
「RankBrain」は、検索クエリの意味を理解するということから、検索者の意図に沿った検索を行おうとするので、その結果スパムや炎上リンクのような意味のないページのランクを下げる方向に働くと考えられます。
GoogleはAIシステムを全体的に応用しようとしていて、それは単に検索精度を上げるというだけではなくスパム対策も含んでいます。
「RankBrain」の利用はその実用化の始まりであると考えられます。
Googleが検索ランキングを決定する際のアルゴリズムの中でAIの活用域を広げていこうとする傾向は確実なようです。
Googleは、検索ランキング要素にAIシステムをすでに導入していて、よりユーザーの検索意図に沿った検索結果が得られるように、そしてそれが絶え間なく進化できるようにしようとしています。
このトレンドはGoogleのAI研究が進むにつれて、より加速するものと推測されます。
やがては、スパムコンテンツや炎上コンテンツなどの有害なコンテンツの排除にも適用されるようになるのか確実であり、Webコンテンツはより質の高い情報を提供することが重要になるでしょう。