問い合わせフォームはホームページの所有者と訪問客を繋げるほぼ唯一であり最大の導線であるはずなのですが…どうもこの問い合わせフォームに力を注いでいないホームページが多いようです。
今回はきちんと最後まで入力してもらえる「離脱率を極限まで抑えた」問い合わせフォームを制作するためのポイントについてまとめてみたいと思います。
とはいっても、実際にやることは非常に簡単で、大がかりなリニューアルをする必要もなく、たった数行のコードを加えたり、肝を押さえた非常にシンプルな施策をするだけで効果が出るものばかりなので、嘘だと思って実際にやってみてください。
問い合わせフォームと離脱率の切り離せない関係
私自身も経験があるのですが…ホームページの所有者に問い合わせをしようと思って問い合わせフォームを記入し始めたものの、途中で入力が面倒くさくなって結局は問い合わせをしなかった…ということはありませんか?
日々ホームページを訪れるたくさんの訪問客の中でも、わざわざ問い合わせをしようと思う訪問客はホームページの内容に非常に興味を持ったいわゆる「潜在顧客」ともいえる存在だと考えられます。
そんな潜在顧客を問い合わせフォームの入力が面倒くさいからという理由で離脱させるのは、自ら顧客を手放す結果となり非常にもったいないことではないでしょうか?
そこで最近では入力項目を必要な物だけに絞ったり、シンプルな入力方法にすることによって少しでも訪問客にストレスを感じさせないように問い合わせフォームを調整してゆく「入力フォーム最適化=EFO対策(Entry Form Optimization)」を行うことが多くなってきています。
EFO対策を行うことで、問い合わせフォームからの離脱率を抑えることができ、結果問い合わせ数の増加につながる…というカラクリですn
問い合わせフォームで離脱率を抑える鍵はオートコンプリート機能!
ではここからは実際に離脱率を抑えるための問い合わせフォームの作り方をコーダーの立場から見ていきたいと思います。
現在、ChormeやSafari等のブラウザにはフォームに自動的に入力してくれるオートコンプリートという機能が搭載されています。
これは、いろいろな入力項目にあらかじめ目印をつけておき、各ブラウザが「ここは電話番号だからいつも使う電話番号を自動で入れておいてあげよう」などといったように、自動的に入力を補完してくれるものです。
この機能はONとOFFを選択できる機能なので、誰もがONにしているというものではないのですが…この機能を日常的に使っているユーザーからすれば入力の負担が極端に減ることになりますので、対策を取っておいて損はないと思います。
ではここで対策方法の一例を見てゆきましょう。
<input type="text" name="name" autocomplete="name">
上記がいわゆる「公式」のようなものになります。
つまり、コーディングの段階でInput要素にautocomplete属性を指定することで、問い合わせフォームへの自動入力を有効にできるんです。
上記の例では”name”が設定されていますが、つまりこれは「姓名」が自動入力されるということになります。
“name”を”email”にすれば「メールアドレス」、“name”を”organization”にすれば「会社名」というふうに、自動入力の項目を追加変更できます。
このautocomplete属性に関しては、詳しくはWHATWGという組織のサイトである「WHATWG Standard」のAutoFillについての仕様(https://html.spec.whatwg.org/multipage/forms.html#autofill)を御覧ください。
電話番号だけでも、たとえば市外局番や局番の区分けなど、さまざまな指定項目があり、どのような対応ができのるか一覧で見ることができます。
たったこれだけで、ブラウザのオートコンプリート機能を有効にしているお客さんに対して入力の負担を減らしてあげることができますので、コーディング上でしっかりと指定しておくことに越したことはないですよね?
もちろん、コーディング方面だけでなくてデザイン方面でも問い合わせフォームの離脱率を減らす工夫は存在します。
私自身の経験も含めて考えると…問い合わせフォームが面倒くさい入力形式になっていると途中で入力を諦めてしまうパターンが多いです。
例えば、電話番号の入力欄が000-0000-0000と3つの欄に分割して入力する形式の場合と、00000000000と1つの欄に入力する形式とではどちらが入力しやすいかは自明の理だと思います。
こういうちょっとした工夫が訪問客を離脱させないためには重要になります。
お客さんの立場に立って、とことんまで突き詰めて問い合わせフォームは考えるできべすね。
上記の電話番号の例のように、「入力が不便な」問い合わせフォームを作成しないようにデザイン、コーディングの段階できちんと仕様を決める必要があります。
離脱率を抑えるスマートフォンの問い合わせフォームとは?
さて、ここまでは一般的なPC閲覧環境に関する問い合わせフォームの離脱率対策の方法についてご説明してきましたが、ここからはスマホ閲覧環境による問い合わせフォームの離脱率対策について見てゆきたいと思います。
今やほとんどの企業のホームページがスマートフォン対応をレスポンシブデザイン等で行っておりますが、現状問い合わせフォームに関してはスマートフォン向けになっていないホームページが多数見受けられます。
スマホユーザーはPCユーザーよりも入力等に関する感覚はシビアで、少しでも入力しにくい問い合わせフォームだとすぐに離脱されてしまう結果になってしまいます。
読者の方でも問い合わせフォームにスマホで入力した経験があるかたはほとんどだと思いますが、どういう時に入力に関するストレスを感じましたか?
一般的にスマホサイトの問い合わせフォームでユーザーが最もストレスを感じるのは入力枠が小さすぎることによる「誤操作・誤タップ」です。
どうしても入力項目の説明が小さくて読めない、選択ボタンが小さくて間違えた選択をしてしまう…等、ストレスを感じることが多いのではないでしょうか。
この問題の回避法として簡単な話になりますが、要は「それぞれの入力項目を大きくし」しっかりと「それぞれの間隔をあける」ことで改善します。
つまり、スマホ用に枠を大きくしたり文字を大きくするだけで、使いやすさや入力に関するストレスは大幅に減少します。
意外と気づきづらいポイントですが簡単に改善できるので早速の対応をお勧めします。
スマートフォンでの問い合わせフォームは実際に見てみることが大切
あとは実際にAndroidやiOSでの入力キーボードを表示させた状態でどのようにフォームが見えるか確認するということも重要です。あまりに入力欄を大きくした結果、入力用のスクリーンキーボードやAndroidやiOSに基本的に備わっているメニュー部分と重なりあってわかりずらい。
なんてオチは避けたいところですね。
ここまで意外と軽視されがちなお問い合わせフォームについて、できるだけ潜在顧客を逃さないための施策をいくつか紹介してきました。
いずれもコーディングサイドで簡単にできることばかりですので、是非皆さんもきっちりと対策をすることで潜在顧客の離脱率改善にお役立て下さい。
問い合わせフォーム最適化のアイディアは尽きない…
STRAではさらに今回のテーマである「EFO(入力フォーム最適化)」をさらに専門的に考えたパッケージプランの企画開発を進めています。たとえば上記の例でいえば「入力がめんどくさいなあ…」とあきらめさせる前に、そもそも問い合わせする必要がないエントリーフォーム。といったアイディアもあります。
これはたとえば、問い合わせしようとエントリーフォームを表示した際に、そのすぐ近くに「よくあるお問い合わせ」「FAQ」などをぱっと目につくところに置いてあげる。
そうすることによって、問い合わせをする前に事前にお客様自身で自己解決でき、両者にとって時間的な節約が大きくなる問い合わせフォームとFAQシステムを併せたアイディア。
FAQシステムは事前にそういった「よくある問い合わせ」とその回答をデータベース化し、逐一メンテナンスが必要となるのが大変なところですが、WordPressで運用しているホームページであれば比較的容易に運用が可能です。
よくある問い合わせに何度も回答を送るよりも、そのシステムにポンポンと回答を放り投げておき、その回答集を問い合わせフォームのそばに表示させておけば、お客様は自分が問い合わせしようとする前にそのFAQを眺めて、自己解決に至る。といったアイディアですね。
これであればお客様に入力を負担させることが「ゼロ」ですよね?
問い合わせフォームのストレスを爆減させる「バリデーション」
また万一間違って入力しても、リアルタイムで入力間違いを指摘してくれる「バリデーション機能」を備えたフォームといったアイディアもあります。いざ送信したあとに「入力エラーがあります。改めて入力してください」という例のあのメッセージの途方もない虚脱感…みなさんもご経験ありますよね?
入力した時点で違うと教えてあげれば、そういったストレスもゼロにしてあげることができます。
さらには郵便番号から予測して予め住所を補完してくれる機能…などなど、EFOには実はまだまだたくさんのアイディアがあります。
こういったアイディアをひとまとめにした企画開発を現在進行中です。
企画開発が終わった際には実際にSTRAのコーポレートサイト、SES事業サイト、WEB事業サイトに導入し、その効果測定を行います。
そうして効果のあることを実証したのち、Wordpressをお使いのみなさんにパッケージとしてご提供予定です。
少しお時間はいただきますが、リリースした際には改めてこちらのページでご提案させていただきますのでどうぞご期待ください!