AWSでWebサイト・CMS(WordPress)構築に使える4つのサービス
Amazon S3で静的サイトを構築する
Amazonが提供しているS3(Simple Storage Service)を利用して静的サイトを構築することができます。
S3(Simple Storage Service)とは
S3(Simple Storage Service)はAWSの代表的なクラウドストレージサービスです。オブジェクトストレージであるため、高い拡張性(必要に応じて、スケールアップ/スケールダウンが可能)とデータ耐久性(データが損失する確率の少なさ)が特徴のストレージサービスです。
データ耐久性を実現するためにバックアップや冗長のためのオブジェクトを3つ以上のアベイラビリティーゾーンのデバイスに保存をしています。
また、ストレージの管理やモニタリングができることや、可用性が高める機能が多いことも特徴の一つです。代表的な機能では、ストレージランクを利用したライフサイクル機能が挙げられます。
S3はクラウドストレージであるため、サーバーやデータベースを必要とする動的サイトは構築することができませんが、ストレージにHTMLファイルを格納し、設定をすることで静的なサイトを構築し、公開することができます。
静的webサイトとは、事前に作成したHTMLファイルをベースにコンテンツを表示するwebサイトです。ユーザー側で表示内容が変化をしないことがありませんが、表示が早いのが特徴です。また、更新は、HTMLファイルを編集する必要があるため手間がかかります。コンテンツの変更が少ないコーポレートサイトなどに適していると言われています。
S3で静的webサイトを公開する方法
S3でwebサイトを公開するために必要なステップは少なくとても簡単です。HTMLファイルの規模にもよりますが、手順はとても簡単です。
S3でバケット(オブジェクトを格納するコンテナ)を作成する。
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オブジェクト(HTMLファイル)をバケットに格納する。
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バケットのプロパティでホスティングの設定を行う。
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バケットポリシーでアクセス権限を設定する。(公開設定)
AWSのRoute53(DNS・ドメインネームサービス)を利用すれば、独自ドメインでの設定・公開も可能です。
Lightsailで CMSを簡単に構築する
Amazon LightsailでCMS(コンテンツ マネジメント システム)を構築することができます。とても簡単なステップで構築することが可能になっていることから利用者も多く、注目されています。
Amazon Lightsail
Amazonが提供する仮想プライベートサーバー(VPS)で、webサイトだけでなくwebアプリケーションを運用するために必要な仮想マシンやSSDベースのストレージやDNP管理などがパッケージされているのが特徴です。事前設定がされているため、簡単な手順で利用を始めることができます。
Lightsail インスタンスを利用すると、アプリケーションテンプレートを利用することができるため、CMS(コンテンツ マネジメント システム)の代表的なシステムのWordpressはすぐに利用できます。
CMS(Content Management System)
CMS(コンテンツ マネジメント システム)は、webサイトの更新作業がHTMLやCSSを編集しなくてもできるシステムです。webサイトの管理画面を利用して、更新・編集をすることができます。
HTMLやCSSを利用して製作されたwebサイトよりも手軽の運用ができることから、低コストでwebサイトを運用する時には必ず選択肢に上がるシステムです。
CMSは静的webサイトとは違い、動的webサイトになります。
動的webサイトとは、そのwebサイトを見る人やタイミングによって変化をするwebサイトのことを言います。例えば、WrodPressでコーポレートサイトを作り、ページによって感レページの表示方法が変えられます。
PHPやjavascriptと呼ばれるプログラミング言語で実装され、PHPはユーザーが入力した情報を元に、サーバー上で情報を処理して入力に応じた情報をブラウザ上に返すのが主な役割になります。
LightsailインスタンスのアプリケーションテンプレートにあるWordPressは、PHPを利用しているため、ユーザーがwebサイト上で読んだ記事の関連する記事を表示することなどが簡単にできるようになっています。
Lightsailで CMS(WordPress)を簡単に構築する方法
LightsailでCMS(WordPress)を構築する方法はとても簡単にできます。構築し、Wordpressを立ち上げるまでには数分〜10分程度で完了します。
1.Lightsailインスタンスを作成する。
2.インスタンスイメージでWordPressを選択する。
3.インスタンスプランを選択する。
4.インスタンスの作成完了。
ここまでで、WordPressは立ち上がっています。ここから、WordPressの管理者パスワードの確認やパブリックIPを確認すれば、利用できる状態になっています。
とても、簡単に構築することができます。しかし、セキュリティ面ではアクセス制限などはされていないため別途設定が必要となります。コストでは、Lightsailは月額料金となり、休止中であっても利用期間は料金が発生します。
EC2•RDSでCMS(Wordpress)を構築する
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)とAmazon RDS(Relational Database Service)を利用して本格的なCMS(WordPress)の構築をすることができます。
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)
AWSの中で代表的なコンピューティングサービスです。EC2インスタンスと呼ばれる仮想アプリケーションサーバーが利用できます。数分で、インスタンスサーバーを利用でき、インスタンスにもさまざまなオプションがあるので、カスタマイズをしてより高度な設定をしたCMS運用が可能となります。
Amazon RDS(Relational Database Service)
RDSは、簡単にリレーショナルデータベースの運用できるようになるサービスです。バックアップなどの管理面で必要な作業を自動化できます。また、拡張性にも優れているのでCMSを運用していく中で増えていくデータを効率的に管理していくことが可能になります。
EC2•RDSでCMS(Wordpress)を構築する方法
拡張性を考えたWordpressの構築方法となり、専門知識が必要となります。
手順は、3つのフェーズで構成されます。
1.1台のサーバーを設定して、WordPress環境を構築します。(EC2インスタンス)
2.拡張性とデータベースへの負荷軽減をする環境を構築します。(RDS)
3.ロードバランサーを利用して負荷分散をします。(EC2インスタンス 2台目)
アクセス数が多いwebサイトや情報量が多くなり煩雑、または単調な作業が増えていく運用面を軽減するシステムの構築ができます。
しかし、高度な設定ができるためカスタマイズ性は高くなるものの専門知識がないとどうしてもやりたいことができないや設定に漏れが出てしまうことなどが考えられます。
セキュリティ設定などは特に重要なため、詳細まで事前に設計した上で導入を考えた方が良いでしょう。
現在では、WordPressの運用が日本では80%を超えているというデータもあります。
WordPress運用を手軽に始めるなら、Lightsailを利用した構築をお勧めします。導入に時間や手間をかけることなく始められるのは大きなメリットです。
専門的な知識をつけることができ、規模の大きなWordPressサイトを運用するなら、EC2とRDSを利用して構築した方が規模がさらに大きくなることにも対応できるようになります。
AWSのサービスを利用するメリットの一つに重要な部分に集中することができる環境が構築できることがあげられます。状況に応じて、適切なサービスを選ぶことが重要です。