しかし、2006年以降、一般に公開され、現在ではさまざまな企業のソリューションに貢献しています。
AWSは日本でも10万を超えるユーザーがいて、非常に評判の良いクラウドコンピューティングサービスです。
AWSでは、従来のオンプレミス環境のサーバーで構築できるようなシステムは、大抵実現できますし、非常に柔軟なサイジングが可能です。
トヨタ自動車株式会社などの誰もがしるような企業も、AWSを導入しています。
この記事では、AWSの移行や評判についてご紹介していきましょう。
AWSの評判
AWSは非常に多くの企業に利用されていて、業績の向上に貢献しています。全世界で数百万以上、日本でも10万以上のユーザーがおり、オンプレミスでは難しいような、柔軟で迅速なITリソースの活用が可能です。
AWSの評判と導入実績の一部をご紹介します。
株式会社エイチ・アイ・エスは、60か国124都市181拠点の海外支店を持ち(2014年12月)、旅行業、ホテル事業、運輸事業、テーマパーク事業など多様なサービスを提供している企業です。
東証一部にも上場していて、資本金110億円、日本国内において6大陸すべてに拠点を持つ、数少ない旅行会社です。
株式会社エイチ・アイ・エスでは、旅行会社ということもあり、海外でもシステムを運用する必要があります。
グローバル展開の際に、オンプレミス環境でのシステムを運用では以下の問題がありました。
・ヒューマンリソース
・キャパシティ
・コスト
・スピード
ヒューマンリソースの問題では、エイチ・アイ・エスはあくまでも旅行会社ですから、間接部門であるシステム部門を最小限にして、主目的の人材を雇用するのが望ましいです。
とはいえ現状、電子的なシステムの存在は不可欠ですですが、海外各所にシステム保守のための人材を確保しておくのは困難です。
これに対してAWSはグローバル展開が容易なクラウドコンピューティングサービスを提供しています。
AWSは世界中にデータセンターを持っていて、一度、あるリージョンで運用したシステムは、他のリージョンにコピー・移行して利用することができます。
現地のデータセンターをわざわざ契約する必要もありませんし、そのための視察も必要ありません。
キャパシティの問題は、「オンプレミス環境では無駄の多いシステムを設計しがち」という問題です。
つまり、オンプレミス環境ではどうしてもピーク時の負荷に合わせて、システムを設計するということです。
ですから、通常時では過剰なリソースを抱え、ほとんど使わない部分が発生するだけでなく、ピーク時に高速な処理が可能なわけでもないことが多いです。
オンプレミス環境では適切なストレージ容量を見込むことも困難ですが、AWSでは柔軟なサイジングが可能です。
数クリック、数分でサーバーのサイズを増減させられますし、ストレージを監視して、条件に応じてストレージ容量を変更するようなシステムにできますから、常に最適なサイズのシステムを構築できます。
特にエイチ・アイ・エスは旅行会社であり、ゴールデンウイークや夏休みなどの長期休暇、年末年始などの繁忙期と、それ以外の時期で、システムの負荷に大きな差が予想されますから、AWSの柔軟性は非常に便利です。
また、コスト面に関しても有用です。
オンプレミス環境でシステムを構築するなら、莫大な初期投資が必要ですが、AWSは初期費用の投資が不要のため、従来のIT投資判断に縛られず、速度の速い決断ができます。
さらに従量課金制ですから、使った分の料金しか請求されず、上記の適切なサイジングと組み合わせて、常に最適な料金のみでシステムを運用できます。
またAWSが大量にITリソースをまとめて確保していますから、一台当たりの単価が安く、ユーザーもその恩恵を受けることができます。
実際、過去10年間で70回以上の値下げを実施しており、自動的に適用される上、すべての料金がホームページで掲載されますから、透明性の高い料金です。
スピードに関する課題も、AWSで解決できます。
従来のシステム構築では、必要になってから実際に稼働し始めるまで、数か月かかるケースも珍しくありません。
また、ハードウェア調達の手間や、大きな額のIT投資判断が必要で、遅くなりがちでした。
その点、AWSでは、ハードウェアの調達は数分で行えますし、初期費用がかかりませんから、迅速な決断ができます。
現在エイチ・アイ・エスの、海外ホテルを除くすべてのメニューがAWS上で稼働しており、トータルで年間10%から20%のコスト削減になったといいます。
株式会社エイチ・アイ・エスにおける、システム構築は以下のようなものです。
クラウドコンピューティングサービスの都市伝説
クラウドコンピューティングサービスを導入することで、従来のオンプレミスで実現できなかった、柔軟なサイジング、適切なコストのシステムを構築することができます。とはいえ、
・クラウドより既存のデータセンターやプライベートLANの方が安全である
・信頼度や、耐障害性を考えるとクラウドでは不安
・リスクを考えると基幹の業務システムでの利用は無理
という声がないわけではありません。
これに対して、Amazonは「Cloud Computing World Tokyo 2011」&「Next Generation Data Center 2011」においての講演で、「都市伝説である」と否定しました。
従来利用されているデータセンターや、プライベートLANの方が、lクラウドよりも安全という指摘に対しては、主事業がありセキュリティ投資は間接部門としてIT部門を擁している企業よりも、クラウドベンダーの方が多額のセキュリティ投資が可能である、と反論しています。
実際、AWSは「ISO 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)」や「PCI DSS プロバイダー(レベル1)を取得しており、これと同様の認証を得ていなければ、企業のデータセンターによるシステム運用が安全であるとは言い切れないでしょう。
「高信頼度、耐障害性という面ではクラウドでは不向き」という指摘に対しては、AWSのデータセンター設置のポリシーである、
・物理的に隔離
・洪水面を考慮
・地盤が安定している場所
・無停止電源(UPS)、バックアップ電源、異なる電源供給元
・冗長化されたTier-1ネットワーク
を引き合いに出し、従来のデータセンターが対応できなかった「トラフィック増」や「電源リスク」に迅速に対応できることをアピールしました。
実際、震災時に多数のサイトがAWSに移行したり、並行運用したりと、AWSへの移行が勧められたそうです。
基幹の業務システムをクラウドで運用するのが不安という指摘に対しては、ビジネスアプリケーションのライセンス持ち込みが可能であること、複数のプラットフォームのVMイメージをAmazon EC2 にインポートするツールがあることをもとに反論しました。
AWS移行ツールとサービス
AWSにはアプリケーションの自動化を支援するツールが用意されています。・AWS Migration HUb
・AWS Application Discovery Service
・TSO Logic
<サーバーとデータベースの移行>
・AWS Server Migration Service
・AWS Database Migration Service
・VMware Cloud on AWS
・CloudEndure移行
<データ移行>
・Amazon S3 Transfer Acceleration
・AWS Snowball
・AWS Snowmobile
・AWS DirectConnect
・Amazon Kinesis Firehose
・AWS Marketplace
一部の大企業は、600以上のベンダーを含む2000ものアプリケーションのポートフォリオを、AWSに移行しています。
この際に、既存のソフトウェアの移行のために、ソフトウェアの権限を検証するために、莫大な時間を費やします。
このとき、AWS Marketplaceを利用することで、1100を超えるテクノロジーパートナーが提供する3500以上のソフトウェアから選択できるため、迅速・簡単にAWSに移行することができます。
最後までご覧くださってありがとうございました。
この記事では、AWSへの評判についてまとめました。
AWSへの移行は、非常に多くのメリットがあり、実際にAWSへ移行している企業も多く、コスト削減を実現しています。
ここで言うコストとは、費用だけでなく、時間や人的リソースも多分に含まれています。
また、AWSには移行を支援する仕組みも多く、比較的迅速・簡単に移行できます。
ご参考になれば幸いです。