![AWSを活用してニーズを満たす環境構築を](https://stra.co.jp/aws/wp-content/uploads/sites/10/2020/09/digitization-4667376_640-1.jpg)
もともとはAmazonの社内業務を手助けするためにサービスを提供していましたが、2006年からは一般に公開され、現在では世界中の多くの企業がAWSを導入しています。
AWSにはパートナー制度もあり、システム開発を業務とする企業が、他社のAWS導入をサポートしています。
AWSはコンピューティング環境、ストレージ、機械学習、宇宙開発など非常に幅広いサービスを提供していますから、さまざまなニーズを満たす環境構築が可能です。
この記事では、AWSを活用するメリットなどについてまとめます。
AWSのサービス・AWSを活用するメリットとは?
AWSは、Amazon.comが運営しているクラウドコンピューティングサービスです。AWSは、非常に多くのサービスを提供しています。
よく「AWSを利用するとどんなことができるのか」という質問がありますが、「システムの構成次第では、従来のオンプレミス環境で行えることのほとんどはできる」と答えられるでしょう。
オンプレミス環境でサーバーを設置して、外部に向けてウェブサービスや、社内業務のためにアプリケーションサービスなどを提供する際には、そのサービスを提供したときに予想される最大負荷に合わせて、サーバーのスペックを設定します。
ですが、その場合には、そのサービスがあまり利用されない月には、相対的に無駄なコストを消費していることになります。
また、想定以上の負荷がかかったときや、キャンペーンを実施するなどで負荷の増大が見込まれる際には、サーバーのアップグレードや増設が必要になり、一度サーバーを落とさなければなりません。
その際の負荷対応、システムの改良なども、オンプレミス環境であれば、自社で対応する必要があります。
AWSでは従量制料金を採用しているサービスが多く、使用した分だけの料金を支払います。
例えばAWSの代表的なコンピューティングサービスであるAmazon EC2では、そのサービスを使用した時間、Amazon EC2とEBS間のデータ転送量、Amazon EC2 とインターネット間のデータ転送量によって料金が決まります。
ですから、かかる負荷に応じてサーバースペックをスケーラブルにするようなシステム構成にしておけば、それぞれの場合に最適なサーバースペックになりますから、無駄なコストがかかることもありません。
なにかのキャンペーンを実施する場合や、社内業務のためのアプリケーションサーバー多く走らせる必要がある月でも、AWSのシステムが自動的にサーバーのスケールアップをしてくれるように、システムを構成できます。
このようにAWSではさまざまなニーズを満たす環境構築が可能です。
AWSには以下のようなサービスがあります。
・コンピューティング・ネットワーク
・Amazon EC2 :クラウド上の仮想サーバー
・AWS Lambda :サーバーレスコンピューティング
・Elastic Load Balancing :Amazon EC2 用ロードバランサー
・Amazon Route 53 :クラウドDNSサービス
・AWS DirectConnect :既存のオンプレミスとAWSを専用線接続
・Amazon CloudFront :コンテンツ配信ネットワーク
・クラウドストレージ
・Amazon S3 :クラウドストレージ
・Amazon EBS :Amazon EC2 用ブロックストレージ
・Amazon EFS :Amazon EC2 用フルマネージド型ファイルシステム
・Amazon Glacier :アーカイブなどの長期保存向けオブジェクトストレージ
・データベース
・Amazon RDS :フルマネージド型リレーショナルデータベース
・Amazon Aurora :数倍パフォーマンスが向上するMySQL、PostgreSQL 互換リレーショナルデータベース
・Amazon DynamoDB :マネージド型の高速NoSQLデータベース
・Amazon Redshift :ペタバイト規模のデータウェアハウス
・Amazon ElastiCache :フルマネージド型インメモリデータストアとインメモリキ ャッシュ
・監視・メッセージング
・Amazon ClroudWatch :クラウド及びアプリケーションのモニタリング
・Amazon SNS :プッシュ通知サービス
・Amazon SQS :フルマネージド型メッセージキューサービス
・AWS CloudTrial :アカウント利用ログの記録・履歴管理
・IoT・人工知能・機械学習
・Amazon Machine Learning :機械学習テクノロジーサービス
・AWS IoT :デバイス間接続のためのマネージド型プラットフォーム
・Amazon Polly :深層学習を利用して文章を音声に変換
・Amazon Lex :音声認識、テキストの深層学習によりチャットボットなど の対話型インターフェースを実現
・Amazon Rekognition :深層学習に基づく画像認識サービス
・開発者用ツール
・AWS CodePipeline :アプリケーションのアップデートを可能にする継続的デ リバリーサービス
・AWS CodeDeploy :インスタンスへのコードデプロイを自動化
・AWS CodeCommit :プライベートGitリポジトリをホスティング
迅速に構築、展開し、容易にデータを管理できる3つのサービスを発表
Amazonのニュースルームに2018年12月5日、新たなサービスを発表したことが公表されました。内容は、迅速にシステムを構築できること。更に素早く広く展開できること。、そして容易にデータを管理できるというものです。
発表された3つのサービスとは、
・AMS Control Tower
・AWS Security Hub
・AWS Lake Formation
です。
AMS Control Towerはマルチアカウント環境を構築するためのサービスです。
AMS Control Towerを利用することで、セキュリティやコンプライアンスのルールに従いながらも、AWSを利用して最適なコスト管理を行うことができます。
AMS Control Towerはセキュリティ、システム運用、コンプライアンスなどを盛り込んだガバナンスルールを事前に設定しておくことで、違反行為を検出します。
これらの設定は、AMS Control Towerのダッシュボードから、管理・確認することができます
AWS Security HubはAWS環境のセキュリティとコンプライアンスを管理する中心的な役割を果たします。
ユーザーはAWS Security Hubを利用することで、AWS環境のセキュリティとコンプライアンス状況を、ダッシュボードから簡単に確認できます。
従来では、セキュリティやコンプライアンスを保つために、複数の企業が提供しているツールを使用し、それぞれの逐一監視するか、それらの検知結果を集約するシステムを開発することで対応していました。
その結果、セキュリティの危機に対する重要な兆候を確実に把握することが難しい状況も生まれかねませんでしたが、AWS Security HubによりAWS内のセキュリティやコンプライアンスの現状やトレンドを集約したダッシュボードで確認できます。
AWS Security HubはAmazon ClroudWatchとAWS Lambdaに統合されていて、修復アクションを自動化・実行できます。
AWS Lake Formationは、データレイクを構築するためのサービスです。
データレイクとは、構造化データと非構造化データを保存しておけるレジストリです。
構造化していないデータでも、その形のまま保存しておくことができます。
AWS Lake Formationを使用することで、データの収集、整理、カタログ化などの、手作業で行う構造化手順を簡素化、自動化することができます。
つまり、データレイクを構築し管理するには、従来はパケットやパーティションの設定、セキュリティポリシーの設定と強化、アクセス制限の詳細な設定などが必要でしたが、これらの作業を簡略化し、データレイクを構築を早めてくれるのが、AWS Lake Formationです。
様々なニーズを満たす環境構築例
AWSを利用することで、様々なシステムを構築できます。たとえば、負荷状況に応じてスペックを自動的に増減させるAWSは以下のような構成になります。
![](http://stra.co.jp/aws/wp-content/uploads/sites/10/2020/09/ded5093380b263341ac107303cad9c06.png)
サーバー環境 Amazon EC2
ロードバランサー Elastic Load Balancing
モニタリングツール Amazon ClroudWatch
自動スケーリング機能 Auto Scaling
このシステムでは、Elastic Load Balancing、Amazon ClroudWatchとAmazon EC2 Auto Scalingを組み合わせて、あらかじめ負荷条件を設定しておくことで、Amazon EC2 のオンデマンドインスタンスの起動・停止が可能です。
サーバー台数を増やすには、オリジナルのAmazon EC2インスタンスからAMIを作成し、Amazon EC2 の自動スケーリングを行います。
他にも、AWSはライブ動画の配信などのシステムにも利用できます。
セミナーイベントなどで、ライブストリーミングを行う際などには以下の構成が考えられます。
![](http://stra.co.jp/aws/wp-content/uploads/sites/10/2020/09/d1d0e8a85b4e605399c8e0f9132948d4.png)
・1Mbpsの映像を2時間配信する前提で、視聴者5000人の想定
・4.3TBのデータ流量、3600000リクエストに対応できる構成
・Amazon Machine Image(AMI)をもとにAmazon EC2を配信直前に立ち上げます
・配信終了後、シャットダウンすることで料金の最適化をします
以上で、料金は以下のようになります。
サーバー関連 :Amazon EC2 :$8.20
CDN転送 :Amazon CloudFront :$619.70
合計$627.90
最後までご覧くださってありがとうございました。
この記事では、AWSを活用するメリットについてまとめ、AWSを利用することで、様々なニーズを満たす環境構築が可能であることをご説明しました。
また、2018年12月に様々なサービスが発表され、さらに便利に利用できるようになりました。
ご参考になれば幸いです。